我家の木の管轄は夫。私は野菜、ハーブ、草花担当。分担がなんとなく決まっている。その夫が毎朝イチジクを2~8個もいでくる。イチジクは好きな果実だけでなく子供の頃の記憶を呼び起こす。夫は沢山の木が繁る広い庭で育ち、イチジクをとって食べていたという。庭を兄弟で駆け巡り、よく木から落ちて怪我をしたとか。
私は父の社宅の集合住宅にいて、そこには広めの庭がついており、母がいろんな草花を植えていた。木はイチジクだけで、私もよくとって食べていた。白い汁がイボに効くといわれ、手の小さなイボに懸命に塗っていたっけ。イチジクはこどもの頃の庭の風景が浮ぶ。そういえば、姉も妹も私も、草花好きはこの母の庭が原点かも。四季折々の可愛い花が次々に咲いて風情があった。今、それぞれの庭で再現している気がする。