北風が吹いて、家の前の銀杏がいっせいに葉を落としはじめた。
すぐ後ろの河川敷では、2年前の台風で流された橋の復旧工事がやっと始まって騒々しい。朝8時頃から夕方まで、大きな音が鳴り響いている。
この小さな橋が完成すると、川向こうの散歩が復活できてうれしい。
銀杏の木の下に立って、驚いた。音が消え、森閑としているではないか。静寂…。背後で大きな突貫工事をしているというのに。何十年も続いている木の世界は、私たちの近くにあって、別の次元を生きているのね。
反面、足元からは、1枚ずつの葉っぱが、折り重りくっついたりして、修学旅行の寝床のようにキャッキャッとはしゃぐ声が聞こえるようでもある。