夕星は、
かがやく朝が 八方に散らしたものを
みな もとへ 連れかえす。
羊をかえし、
山羊をかえし、幼な子を また母の
手を連れかえす。
「断片」より サッポー (呉 茂一訳)
西の方に太陽が沈むのを見ると、この詩の一節を思い出す。羊をかえし、山羊をかえし、幼な子をかえし、雲をかえし、私もかえる、と口ずさむ。
「かがやく朝が 八方に散らしたものを みな もとへ 連れかえす」ここが好き。紀元前のギリシャの女性詩人がぐっと身近に感じる。
ただ、私の家路は東の方角なので夕焼けに背を向けて帰る…、みんなといっしょに帰れず残念…。